言葉だけでなく表情や身振り手振りも大事

患者さんの不安を取り除いたり、会話を通して治療を行ったりするのは看護師にとって重要な仕事です。カウンセリングスキルを習得することで飛躍的にその能力は高まりますが、習得する際に留意しておきたい点があります。

いかに言葉巧みになってうまく会話を通して伝えたいことを伝えられるようになったとしても、不十分だという認識が欠かせません。この自覚を欠いていると、自己満足になってしまうリスクが高いでしょう。
患者さんが病気などの症状を訴えるときには適切な言葉を選べているとは限らず、擬音語や擬態語などを使っている場合は誤解が生じるかもしれません。患者さんの表情や身振り手振りを観察することによって何を訴えているのかを把握するスキルが重要になります。
一方、逆にそれを自分で実践することで、言いたいことをわかりやすく伝えるスキルも必須です。身振り手振りを交えることにより、伝えたいことが明確になりやすく、特にある行動をして欲しいと伝える場合に実演するだけでよく意図が伝わるようになります。

表情による影響も大きく、笑顔で接するか深刻な顔をしているかで患者さんの覚悟も変化するでしょう。患者さんの表情を読み取るのも大切であり、言っていることと考えていることが必ずしも一致していなかったとしても、表情から読み取れることは多いものです。

カウンセリングスキルは、言葉だけでなく表情や身振り手振りにも着目できてはじめて身に付きます。自分で駆使できるようになると共に、患者さんの様子から読み取れるようになる必要があります。